漆器:黒内朱段違四段七五重・奥田志郎《4段・漆塗り・重箱》

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お重箱をはみ出すように、たくさんの千鳥が気持ちよさそうに飛び交っています。まるで銀河系を駆けめぐるかのよう・・・。

蒔絵を施していない重箱もございます。

漆器:黒内朱段違四段七五重・奥田志郎《4段・漆塗り・重箱》

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 次代にうけ継いでいただく値打ちのある本当の意味のお道具(飾りものとしてではなく)です。

 美しい形のしかも入れ心地のよいお重を作りたいと思っていた時、サントリー美術館で槍梅螺鈿(やりうめらでん)の重箱に出合いました。

こちらは、奥田志郎さんが本体を作り、山本哲さんが蒔絵を施されたとても贅沢なお重箱です。

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漆器:黒内朱段違四段七五重・奥田志郎《4段・漆塗り・重箱》

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 奥田さんはこれを古い形に戻し面を出来るだけ落として、しかもキリリと見える角度に仕上げて下さいました。面をきっちり90度につくるのはむつかしい仕事で、その技術を珍重したい気持ちは解るのですが、使うものとしての価値は又別のところにあります。塗は真塗、内朱になっています。

 輪島の奥田志郎さんと相談しながら、仕事をすすめました。

2008年10月

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本当の意味のお道具

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 江戸期(多分中期は下らないと思われますが漆器は時代が特定しにくいものです)のもので一番上が薄く二、三段目は同じ深さで中位、一番下の段はかなり深くなっています。たて・よこ 7寸×7.5寸で謂る七五重です。使いやすそうな割振りでこの寸法にきめました。

 現在の上等と云われる重箱は、小口(上縁)の部分が面立ちになっているのがよいとされているのですが、少しの衝撃で欠けてしまわないかと不安でなりません。

形の本歌はサントリー美術館の「鎗梅螺鈿蒔絵重箱」です。とても使いやすい理想的な寸法で、一段目が浅く、四段目が深い三種類。各段は絵柄が独立していますので、一段だけなど自由に組み合わせることができます。9cmほどある四段目は、深さも十分です。

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23.2 × 21.2 × 高さ27.3高さ内訳  一段目 4.6    二・三段目 6.2       四段目 9.4cm

漆器:黒内朱段違四段七五重・奥田志郎《4段・漆塗り・重箱》

漆器:黒内朱段違四段七五重・奥田志郎《4段・漆塗り・重箱》

素地:档(あて)

工芸店ようび 店主 真木

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 装飾は長い間暖めていた地蒔に千鳥で。最初地蒔を本格的な塵蒔にしようと考え鑢粉(金をヤスリ様のもので削って面を取る粒状のもの)をつくって貰い、これを蒔いて貰いましたら十二回塗って磨いてもまだ金の粉が沈んで出て来ないという難儀な仕事になりました。これは深いところからさまざまの角度で金が光り効果的で美しい装飾なのですが、あまりにも手間がかかりすぎ、平安→鎌倉にあった技法でしたがこの仕事が廃絶してしまった理由がよく解ったのでした。東寺(教王護国寺)に残っている空海の袈裟箱などがこの塵蒔で出来ています。さまざまな試行錯誤の末、同じ効果のある平目粉を蒔くことにしました。その上に千鳥を飛ばしましたら地は雲にも水にも砂にも見え、仲々生き生きとした風景が出来上がりました。百匹近い千鳥が飛んでおります。

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